【卒園式】発達障害の息子の卒園式は、欲張らず、息子らしく・・・

私には軽度知的障害+自閉スペクトラム症の息子がおります。

息子は、一般の私立幼稚園に3年間所属しまして、無事卒園させていただきました。

今回は、そんな息子の卒園式のお話です。

幼稚園を締めくくる最後のビッグイベント。

厳かな雰囲気を大切にする式典に、自閉症の息子をどのように参加させるかについて、私はずいぶん悩みました。

その時の迷い、取った対策などを書きたいと思います。

厳かなプログラム・・・

ざっと当日の流れですが・・・

卒園式が開催されたのは、土曜日の午前中でした。

卒園児は全部で91人

多くのご家庭で、お家の人が2人参加+先生方+来賓の方々・・・

会場となった幼稚園のホールは、人でぎっしりと埋まった状態です。

時間は、卒園式自体は、9:00~10:30の予定。

その後は、謝恩会がありました。

プログラムは、最初スライドショーで年少から3年間の写真が流れ、

その後に

①入場・開式の言葉

園歌斉唱

卒園証書授与(呼名の後、前で1人ずつ園長先生から手渡し)

④園長先生のお話

⑤理事長先生の挨拶

⑥来賓の方のお話

⑦来賓紹介

お別れの言葉(園児2、3人ずつまとまって決められた言葉を言う。)

合唱

⑩閉式の言葉・退場

こんな感じでした。

さすがは式典。

これまでの運動会や発表会とはわけが違う。

常の練習からでしたが、卒園式にふさわしい、ピリッとした緊張感の中で行われました。

本番でも卒園する園児たちは長い時間椅子にじっと座っているし、表情も締まり、無駄口を叩くような子がいないのがすごかったです。

感動して泣いている子もちらほら・・・

こちらも感動いっぱいの式でした。

卒園式、自閉症の息子はどう参加すべきか?

さて・・・

この卒園式というイベントに、自閉症の息子をどう参加させるべきかについて。

私はずいぶん悩みました。

あれはたしか、年長の2月の頭頃だったと思います。

息子の学年には、息子の他にも発達障害を抱える子が何人かいたので、その保護者を対象に、園が、卒園式に向けての話し合いの場を設けてくださったんです。

そこで、事前に当日の流れの説明を受け、卒園式にどう参加しようか、あれやこれや意見交換をしました。

式では、来賓の言葉が多く、黙って人の話を聞く座り時間が長いこと。

卒園証書も、1人ずつ名前が呼ばれて1人ずつ前に出て証書を受け取るので、最初の1人から最後91人目がもらうまでは、相当な時間を要すること

そんなことが説明されました。

息子にしてみれば、式の間のほとんどは、やることがない待ち時間

その間、黙って、じっと椅子に座り続けることが、彼にはどれだけ難しく、厳しい時間になることか。

考えただけで恐ろしく、何か対策を・・・とあれこれ試案しました。

私が考えた卒園式への参加案

参加案①会場に息子の席とパーテーションを持ち込んで、待ち時間はそこで絵を描いて過ごさせたらどうか。

息子は、教室で常にパーテーションを使用していました。

なので、卒園式でも、ホールの片隅でいいから、お友達の席とは別に息子の席を用意してもらって、そこで過ごさせたらどうかと考えました。

パーテーションについては、こちら↓

今回は、パーテーションのお話です。 早速ですが、これ👇がそのパーテーションです。 写真は、息子が幼稚園の...

この案は、当日参加する人が多くて会場にスペースが確保できない、という理由で早々に断念しました。

参加案②待ち時間は、廊下や教室に出て過ごすのはどうか。

この頃の息子は、ちょうど”みんなと一緒にやりたい”という気持ちが出だしていたため、下手をすると息子の抵抗にあい、パニックになってしまう恐れがありました。

また、卒園式の練習では、みんなと同じような動きをすでに練習していたので、本番で途中退室が受け入れられるかどうか・・・

練習通りにやりたい子でもあるし、これもなかなか難しいかもしれない。

この頃は、まだ結論が出せない状態でした。

息子にとって、幸せな卒園ってなんだろう?

式では、みんな感動して泣くことが予想されました。

でも、泣いている声だけでなく、泣いている人を見るのも嫌いな息子。

そんな息子が、大好きな先生、お友達、ママたちが別れを惜しんで泣いている姿をみたら、不安になるかもしれない。

もしかしたら、イヤな事を表現するために、叩きに行ってしまうかもしれない。(息子は他害がひどかったので・・・)

過去の記事でも書きましたが、うちの息子は本当によく手が出る子でした。 息子は、自閉症の症状がわりと強い子でしたが、発達検査の認...

せっかく今まで頑張ってきた幼稚園生活の最後の日。

苦痛を伴う式典。

不安を伴う別れのシーン。

それって、息子にとって幸せなのだろうか。

式に出ることが、果たして彼にとって良い卒園の形なのだろうか。

前日に教室でいつもと同じ環境の中、笑顔でお友達と「さようなら」をした方が、息子にとっては良いのでは?と考えるようになり・・・

卒園式、出ない方が良いかも・・・

なんて思いが巡るようになりました。

息子に実感してもらいたい、卒園の意味

卒園式、という形あるものは置いておいて。

どの道卒園をして、みんなとは違う特別支援学校に進むことが決まっていたため、息子に”卒園”、そして、その後はみんなとは違う学校に行くことを説明したいなぁと思っておりました。

言葉が苦手で、なかなか会話ができるようにならなかった息子。

そんな彼も、年長の冬休みくらいから、たどたどしいながらも色々話してくれるようになり、聴いて理解できる幅も少しずつ広がってきました。

3月〇〇日で幼稚園は最後だということ。

お友達には、会えなくなること。

新しい学校生活が始まること。

そんなことを、簡単な言葉で説明したところ、

息子が、お友達と「バイバイ」することを「死んじゃう」とかそっちの方向に捉えたらしく・・・

まずいまずい・・・

改めて、絵と文字で説明し直しました。

具体的には、小学校のイラストをいくつか用意して、そこにお友達の名前を書いて、

○○ちゃんはA小学校、△君はB小学校

というように分けて壁に貼っておきました。

こんな感じです↓

加えて卒園、入学を意識させるためにカレンダーを用意しました。

↓写真では3月からですが、これは2月分から作って、同じく壁に貼りました。

最初、どの程度息子が卒園を理解してくれるかはわかりませんでした。

正直、あまり期待はしていなかったのですが・・・

「幼稚園、終わり?」「お友達、ばいばい・・」と、だんだんと園を卒園するんだ、ということがわかり出しているような、そんな気配を感じていました。

卒園式の練習を見て、参加を決断

園では、早い時期から卒園式の練習を何度もしてくれていました。

なので、私も何回か練習を見せていただいたのですが・・・

練習のかいがあって、息子も一連の流れがしっかり身についていて、横を向いたり、手をぶらぶらさせたり、そういう仕草はあるけれど、なんとか椅子に座っていることができていました。

これならば・・・出られるかもしれない。

卒園も意識できるようになってきているし。

卒園式、出しても意味のあるものになるかもしれない。

園の先生が何度も相談に乗ってくれて、その都度練習での様子も教えてくれて。

息子は、卒園式に参加できる。

そういう前向きな気持ちになっていきました。

卒園式は、中抜けで乗り切った!

さて、本番当日、結局無事に参加できたのか?

結論から申しますと・・・

息子は、最初から参加し、卒園証書授与が終わった後、一度私と一緒に教室へ戻りました。

そして、最後、お別れの言葉の前にササっと戻って最後まで参加する、中抜けの形を取りました。

式の始めの入場から、息子が卒園証書を受け取るまで、約40分間。

息子は自分の席に座って頑張りました。

その後は、来賓の方たちのかしこまったお話の連続です。

しかも、練習ではやってない(やれない)内容なので・・・ここはもう・・・割愛!

練習の時から、卒園証書を受け取ったら教室に向かう流れを先生と練習しておいてもらったおかげで、本番もスムーズに場外に出ることができました。

中抜けの間、教室に戻っていた時間は20分くらいかな?

その間、息子は、好きな絵を描いたり、年少さんの時に使用していた教室に行って、懐かしいおもちゃを触ったり。

トイレに行ったり、少し走ったり、誰もいない空間を自由に過ごせたことで、すっかりリラックスできました。

最後の締めくくり、お別れの言葉や合唱も練習通りにできて、無事に式を終えることができました。

息子の出番があるところに集中して参加させたからか、息子の集中力も途切れることなく、呼名の返事や卒園証書の受け取り、別れの言葉や歌、どれも練習通り、しっかりとやり切ることができました。

そのおかげで、親としては非常に満足度の高い卒園式になりました。

最初から最後までいることが良いこととは限らない

ここまで決断するのに、本当にあれこれ色々悩みました。

幼稚園最後だし、荒れやすい息子の機嫌が3学期はずっと安定していため、もしかしたら、最初から最後まで、すべて参加させていても、きちんと座っていられたかもしれません。

最後ぐらいみんなと同じように参加させたい・・・という欲も、全くなかったわけではありません。

しかし、本人の苦痛を考え、中抜けでの参加の形を取ったことについて、

欲張らずに、息子らしく参加できたことは、とても良かったと思います。

なによりうれしかったのは、息子が”卒園”を意識してくれたことです。

どのくらい理解していたかはわかりません。

でも、卒園式の前日に教室で先生と別れる際のこと。

いつも先生にぎゅーと抱きしめてもらってから「さようなら」をするのですが、

その時に息子が「せんせい、ありがとう」と言ったそうです。

こんなことを言うのはそれが初めてで、先生も私もビックリ!

そして、帰りの車中で泣いていました。

何も感じていないようで、実は色々思っていたのか・・・私もとても感動しました。

最後に

何はともあれ、卒園式、無事に出席でき、大満足の締めくくりができました。

とても幸せな園生活でした。

教室では、最後に大好きなクラスメイトと一緒に、たくさんの写真を撮ることができました。

息子も笑顔いっぱいで、大切な思い出を形良く残すことができました。

息子のことも、みんなと同じように写真の輪に誘って下さったお友達、ママ友さんたちにも、感謝の気持ちでいっぱいです。

私自身も、大変感動的な卒園式となり、卒園式、参加して良かったと、今も心から思います。

その後の謝恩会は、残念ながら参加は取りやめたのですが・・・

役員の保護者の方が、あちらから事前に声をかけてくださり、各自お花を子どもから先生に渡す役目があるけれども、息子は、どの先生に当たっても渡すことは可能か?とか、参加しやすい場所などがあるか?とか、とても理解を示してくれました。

当日、難しければ無理に参加しなくても大丈夫なように、息子が休んでも支障のないよう段取りもしてくれて、そのお心遣いがとてもうれしかったです。

私も息子も、周りの方に恵まれ、助けがあり今がある。

つくづくそう思います。