今回は、パーテーションのお話です。
早速ですが、これ👇がそのパーテーションです。
写真は、息子が幼稚園の年中から使用していた物です。
園の教室内の一角に置かせていただいておりました。
そして、パーテーション内に息子の席を作っていただきました🙂
目次
息子は他害がひどかった
いきなり息子の他害(他人を叩いたり、蹴ったりして傷つけること)の話になりますが、”パーテーション”を導入したきっかけとなったのが、息子の感覚過敏からくる他害です。
息子が幼稚園時代のお話ですが、本当によく手が出る子でした。
相手が突発的にぶつかることをとても嫌い、ちょっと体が当たっただけで叩き返さないと気が済まない。
隣をすれ違うだけでも、すれ違った人を叩きに行く。
叩くことを止められると、足が出て、それでも相手に届かないと、記憶に留めて置いて、後で叩ける時に叩く。
ひどい時は数日後に叩きに行くこともありました😱
なんて粘着質な性格なんでしょう・・・。
この他害は、私の大きな悩みでした。
毎朝、園に送っていく際に、『今日はお友達を傷つけてしまいませんように・・・🙏』と祈りながら送り出していました。
年少の終わりから年中時代には、かじることもあって。
かじると跡に残るので、より一層加害者側の親としては辛かったです。
参観会や行事では、お詫びをしなければならない親御さんが多くて😰
みなさんに、たくさんご迷惑をかけてしまいました。
(ちなみに、小学生になった息子は、幼稚園の暗黒時代がウソだったかのように、マイペースで平和主義の穏やかな子になっています。)
他害を無くすために息子に必要だった援助
パーソナルスペースの確保
どうしたら他害を無くせるだろうか・・・
通院していた病院の臨床心理士に、長いことこの問題について相談をしていました。
まず、他害の原因を考え、対応を検討する中で、
息子には接触の過敏があると考えられる、という話になりました。
私にはべったりなんですけれど・・・。

言われた時は疑問に思ったのですが。
でも、思い返してみると、たしかにそうかも・・・と納得しました。
私たちにもパーソナルスペースってあります。
自分の領域に入って良い人とダメな人がいますよね?
家族や仲の良い友人が、肩がぶつかるくらい近い位置に座っても平気ですが、電車で隣の人とピッタリくっつくのは嫌ですよね。
家族でも近いのが嫌な人もいるのか・・・😅
人それぞれ、その領域の広さや許容する人に違いあると思いますが、息子はその領域が広いのではないか、という推測ができました。(=パーソナルスペースが広く必要)
つまり、自分の近くに自分の許可していない人がいるのが嫌ということですね。
意図的にお友達と距離を置く
幼稚園の教室内では、1つのテーブルに6人くらいだったかな?
お友達と一緒に座るのですが、隣の子との距離が近く、しょっちゅう手が当たったり、身体がぶつかったりするんですよね。
その都度、息子は隣の子を叩く・・・という感じでした。
だと心理の先生がおっしゃっておりました。
幼稚園の先生は、担任、副担任の2人で息子が手を出さないように見守ってくれてはいましたが、息子も手が早いですし、お友達との距離が近いとその分止めにくくなります。
息子の席をみんなと離した方が良いのではないか、という気持ちがだんだんと強くなっていきました。
物理的に距離が離れれば、お友達と接触する機会が減りますし、叩くとしてもその距離を移動するだけの時間があるので、止めに入りやすくなります。
クールダウンのスペース
という話が出ました。
クールダウンについては、パニックになった時や落ち着かない時に、誰もいない静かな環境に行って気持ちを落ち着かせる場所として、幼稚園によっては小部屋を用意してあるところもあるそうなのですが、息子の通う幼稚園にはありませんでした。
(だんだん成長するにつれ、クールダウンは、本当はパニックやイライラが起きる前にできると良いです。)
無いのであれば、廊下にダンボールの家を置くでも良い。
とにかく、みんながいない静かな環境で、息子が1人で落ち着ける場所があるといいですね、ということでした。
パーテーションにたどり着く
幼稚園でも先生が工夫をして下さり、給食後は教室のおままごとスペースに息子のお絵かきボードを置いて、息子が過ごせる場所を作ってくれていました。
でも、お友達との共有スペースということは変えられません。
実際に心理の先生が息子の園を見に来てくれて、
と提案してくれました。
園には、パーテーションはないので、衝立になりそうな物を探してくれましたが、なかなかそう都合の良いものはありません。
息子が使うものだし、自分で用意しよう❗と思い、パーテーション選びを始めました。
パーテーション選びのコツ
心理の先生から、使用するパーテーションについて色々アドバイスをいただきました。
ポイントは・・・
座って目線ぐらいの高さにすること
完全に個人のスペースにするのではなく、お友達を感じられるくらいが良い、ということで、目線くらいの高さにするそうです。
見たい時には覗けて、見たくない時には見ない選択ができるので。
そこで、私、パーテーションを色々探しました。
条件は先程書いた高さの他にも・・・
- 丈夫であること。
- 安全であること。
- 軽いこと。(先生がお掃除する時、移動しやすいように。)
- 園の教室に合う景観であること。
そして、心理士の先生の”ダンボールの家”というのがヒントになって見つけました。
冒頭にも載せましたが、これ❗↓↓↓
段屋風月さんの商品です。
このパーテーション、強化ダンボールでできています。
とても軽くて丈夫です👏
安全性ですが、触った時、隅っこは鋭利な感じではなかったですが、こすった時に手を切らないように、念のため縁にビニールテープを巻きました。
その他は、言う事なし👌
パーテーションに空いている動物の足跡が、ちょうど窓みたいになっていて、始めはどうかな?と思いましたが、立たなくてもそこからお友達の様子を見ることができ、空き具合も息子にちょうど良かったようで、結果オーライでした😉
同じお店で、机と椅子のセットも合わせて購入しました。
パーテーション内で1人で使える小さい机が欲しかったので。
机は汚れたら拭けるように、ビニール製のテーブルクロスをかけました。
椅子は、持って移動することもあったため、持ちやすい園の椅子をお借りしました。
設置場所は、先生が色々考えてくれて、教室内の先生の机の前に置いていただきました。
パーテーション内で過ごせるように、息子が手が届くところにお絵かきグッズや工作グッズを置くようになりました。
そのうち、今日の日程絵カード、ゴミ箱、ティッシュ、水筒置き場も欲しい・・・と充実していきました。
パーテーションが自前だったので、フックを付けて、カスタムし放題です(笑)
パーテーション内ならお友達との接触の危険性もないので、この中で最低限やりくりできるようにしておきました。
そのおかげか、パーテーション内が息子の安全基地になり、安心して過ごせる場所になっていきました。
プラス:教室外にもクールダウンスペースを
パーテーションのおかげで、息子はだいぶ楽になったものの、やはりそこは教室内、音などの刺激から完全に逃れることはなかなか難しい環境です。
そこで、第2の避難所(クールダウンスペース)を教室の外に作っていただきました。
窓のすぐ後ろ、赤丸で囲った部分はソファなんですが、ここが室外のクールダウンスペースとして有効でした。
息子が、教室内のパーテーションの中でもしんどい時は、後ろのガラスドアを開けると、すぐに外のソファに出ることができたので、そこでゴロゴロ寝転んで休憩しておりました。
最短距離、最高の動線です。
最初は、先生が「戻っておいで」と働きかけてくれないと、いつまでもソファに1人でいたそうですが、最終的には、先生の声掛けがなくても自分からクールダウンが終わったら、教室に戻ってくることができていました。
あとがき
ここまでやるには、私1人ではできませんでした。
まず、園の協力がすばらしかったです。
自前でこんなパーテーションを置きたいと願い出る人、なかなかいないと思います😅
でも、園は、息子がそれで楽になるのであれば・・・と快く許可してくださいました。
園の先生方は先生方で、『息子の席をお友達の席と離してしまって良いのだろうか・・・』と悩んでいたそうなんですが。
そこは、心理の先生が、「それを気にするお母さんではないので大丈夫です。」と私の想いを代弁してくれました(笑)
心理の先生は、アドバイスだけではなく、保育所等訪問支援事業という制度を使って、遠方の息子の園まではるばる足を運んで下さいました。
直接息子が過ごしている様子や教室を見ていただき、パーテーションの場所やクールダウンの場所について園の先生方と協議してくださいました。
そこに、地元の療育専門施設の先生も加わって、本当、息子は至れり尽くせりだったなぁと改めて思います。
私が、これを進めた目的は、息子の園生活を楽にすることの他に、将来のためという理由もありました。
自分から、辛くなる前に、場所を変えるなどして落ち着き、また戻ってくる力をつけさせたい。
小学校に行っても、中、高、その先就職しても、その力が大切だと考え、早くから習慣にするために園に協力していただきました。
幼稚園時代は、このすばらしい環境と先生方の努力のおかけで、自分で辛さのコントロールをする第一歩ができていました👏
ちなみに、小学生になった現在、学校や放課後デイではパーテーションを使用することなく、クールダウンスペースも特に使用せず、その場で自分自身で気持ちを整えることができつつあります。
家では、1人になりたい時は、さっと2階に行ってしばらくして自分で戻ってきます。
小さい時に丁寧に対応しておいて、本当に良かったなぁと感じています。
後が楽です。
色々な方達の協力があって、支援があって、今の息子ができあっていることに感謝です。
今の息子を見ていると、ここで撒いた種が大きく育っているのを感じます✨