今回は、過敏が多く公園に行けなかった息子のために、庭に遊具を置いたお話を書きたいと思います。
これらの遊具は、単に遊ぶことを目的としただけではなく、感覚統合に役立てるために設置しました。
後半では、感覚統合と発達障害について私のわかる範囲で書きました。
早速ですが、これ👇が我が家の庭です。
雲梯(うんてい)と鉄棒と、ブランコ、それに写真で切れてしまっていますが、ブランコの向かいに広めの砂場があります。
立派でしょ〜(笑)って自慢したいわけではありません。
この遊具は、過敏がひどくて公園に行けなかった息子と私が遊ぶため、そして療育効果も狙って設置しました。
過敏がひどくて外出できなかった息子
息子は、小さい頃、公園に行けない子でした。
ブランコや滑り台は大好きなのに、公園に人がいると、途端に遊べなくなってしまいます。
支援センターにも行けませんでした。
行っても周りの子と遊べないし、私も息子の成長の遅れが気になるだけで、全然楽しめませんでした。
買い物に連れて行くのも大変。
お店に行っても、息子がパニックを起こして、何も買わずに帰ったことが数々あります。
唯一できたのは、家の周りの散歩。
それも、歩かなかったですけれどね。
三輪車に乗せて私が押すか、抱っこやおんぶでした。
午前、午後、1時間程そうした時間を過ごし、あとは何もやることがない。
家にいても、おもちゃで遊ばない。
私といても、一緒に遊ぼうとしない。
どうやって時間を過ごそうか…
ストレスが溜まる日々でした。
テレビを見るか、散歩か昼寝か、頑張って遊びに誘う日もありますが、たいてい興味を持ってくれず撃沈・・・
毎日がそんな感じです。
幼稚園に入園した後、今度は頻繁に手が出るようになり、公園の遊具で遊んでいる最中に周りのお友達を叩いたり、かじったり・・・
親としては、神経を磨り減らしながら遊ばせていました。
そこで、息子が年中の時に、思い切って大型遊具を庭に設置しました。
主人には反対され、欲しいなと思って実際に購入に至るまで1年半くらいかかりましたが、最後は私が強硬突破しました😅
我が家が選んだのは、『自然工房Wood Warmth』さんの遊具。
外国製の大型遊具と迷いましたが、こちらの遊具は木の温かみがあり、安全性も問題なさそうだったので選びました。
木が大量に送られてきましたが、組み立て&設置は私と私の父の2人でできました。
我が家が購入した当時は、すべての合計で13万円弱くらいだったと思います。
今は値上がりしていますね。
とても高額ですし、購入にはだいぶ迷いましたが、1ヶ月6千円の体操教室に2年間通わせるよりも安いんですよね。
本当は、幼稚園でやっている体操教室に通わせたかったのですが、息子が入ってしまうと周りに大変ご迷惑になってしまうので、諦めた経緯がありました。
体操教室よりも安く済み、小学生になっても長く遊べるから・・・
ということで思い切りました。
結果、買ってよかったです。
小2の今もまだまだ遊んでいます。
お友達が来た時とかは、みんなにとても喜んでもらえます🤗
夏は日よけタープもかけられて最高です。
ブランコと感覚統合
遊具のチョイスですが、一応理由があります。
まず、ブランコは絶対置きたかったんです。
単純に、息子がブランコが好きなこと以外にも理由があります。
以前に、自閉症当事者のドナ・ウィリアムズさんの著書、『自閉症だったわたしへ』を読んだ際に、大人になったドナがブランコに乗っている写真を見ました。
ドナは、ブランコの一定のリズムが心地良く、気持ちが落ち着くそうなのです。
息子もそうなのかな?と思いました。
公園に行くと、ずーっとブランコに乗っているので。
本当は、雨の日も使えるように、家のリビングの天井から吊るしたかったのですが、工務店さんから我が家はちょっと難しいかも・・・と言われて断念。
外で我慢しました。
気持ちを落ち着かせる効果の他にも、ブランコには感覚統合や筋力強化の狙いがあります。
感覚統合・・・難しい言葉ですね。
感覚って何?統合ってどういうこと?って私もなります。
感覚とは・・・
五感は聞いたことがある方、多いと思います。
視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚です。
他にも、私たちが意識していないけれど、筋肉や関節、揺れやスピードに反応する感覚が存在します。
統合とは・・・
脳の中で感覚の情報を適切に処理すること。
よく交通整理に例えられます。
上手く整理されないと、情報が脳内で大渋滞になるということです。
私たちは・・・
刺激を受ける→脳が情報処理する→行動に移す
を無意識にやっていますよね。
上記で書いた感覚の受け取り方に偏りがあると、その刺激に対して好きとか、嫌いとか、そういった反応を示しますそうです。
一方に偏り過ぎてしまうと、刺激に対しての情報をうまく処理することが難しくなる(上記で書いた大渋滞が起こる)のだとか。
情報をうまく処理できないと・・・
触れられるだけで痛く感じるとか、特定の音がとても苦手とかになります。
他にも、
人混みが苦手。
聴くべき情報を選択できずに、周囲の雑音が耳に入って集中できない。
力加減がわからず、よく物を壊したり、友達を乱暴に叩いたりする。
ジャンプや、ボール投げなどが苦手…等など。
これらは、発達障害の子の特性が満載なのに、お気づきになるかと思います。
発達障害が抱える困り感と、感覚の統合がうまくいかないことは、実は深く関係していることがあるらしいのです。
感覚の過敏や鈍麻、手先の不器用さ、注意力、言語能力、コミュニケーション能力といった、一見感覚とどう関係があるかわからないことも、原因をたどると感覚統合がうまくできないから、ということがあるそうです。
まあ、感覚過敏だけが原因ということはないと思いますが。
この感覚統合は、訓練することで改善が可能です。
ピラミットのように段階を踏んで発達していくようです。
感覚統合療法とかもあるみたいですね。
OT(作業療法)や療育の中にも、感覚統合を意識してか、サーキットやブランコ、ハンモック、バランスボールなどが取り入れられています。
幼稚園でも砂あそびや粘土遊びをやりますし、園庭にはブランコ、滑り台、ジャングルジムなんかどこの園にもあるのではないでしょうか。
ただ単に遊ぶということの背景に、小さい頃に色々な感覚、刺激を受けることが大事だから取り入れられているんだと思います。
遊びを通して感覚を養うことで、だんだんと脳で刺激を適切に処理できるようになるのでしょうね。
だいたい10歳くらいまでに行うと良いそうですよ。
注意点としては、子どもに無理強いしないこと。
感覚の捉え方は人それぞれなので、ゆっくりと慣らすことが大切です。
本人が楽しめると、感覚の発達に役立ちます。
なので、我が家が息子が好きなブランコを重要視しました。
↑幼稚園から帰ってくると庭でブランコをよく乗っていました。
私も思いっきり家着で、リラックスして息子と一緒に乗っています(笑)
自宅にあると、中学生になっても、高校生になってもブランコに乗れるのは良いですね。
公園だと、少し抵抗ある年齢になりますから・・・
雲梯(うんてい)は知性を伸ばすらしい
雲梯も設置しようかと悩んでいる時に、ネットで雲梯の効果について検索したところ、グレン・ドーマンという幼児教育で有名な博士が、『自分の体重を腕で支え、交互に腕をだして体を前進させる運動(すなわち雲梯)は、脳を刺激し知性を伸ばすとてもよい方法』と提唱していることを知りました。
(ちなみに、グレン・ドーマン博士のドッツ、息子は小さい時から大好きです。そのおかげで数字に強いのか⁉と思います。)
雲梯って、筋力だけではなく、バーをつかむ手の平への刺激、バーを見て奥行などの認知力を鍛える、体を振って勢いを付けてバランスを取りながら手を交互に出すなど、さまざまな感覚を使ってますよね。
手足の協調運動等が鍛えられるすばらしい全身運動かと思います。
これも、感覚統合に役立つこと間違いなしです。
でも、我が家の近所の公園には置いていないところがほとんどで。
幼稚園にはありましたけれど。
息子は幼稚園当時、雲梯に全然興味が無くて、ぶら下がることもやっとでしたが、できるようになって欲しい・・・という思いを込めて、雲梯も設置することにしました。
雲梯に2本ロープをぶら下げ、1つにはボールをくくりつけてました。
息子はそれを蹴ったり、またいで乗ったりするのが好きでした。
↑幼稚園年中の時の写真
↑小2現在の写真
肝心の雲梯は、結局幼稚園の間にはできるようになりませんでした。
ぶら下がるくらいです。
ところが、小1の終わり頃だったか、突如として端から端までできるようになり、今ではおさるさんのようにスイスイやっています。
脳からの指令と体の使い方がうまくなってきたのかな?
最後に
思い返してみると、我が屋では他にも、トランポリン、室内ジャングルジム、向かい合って2人で乗るブランコ、滑り台と、家で遊べるよう色々な遊具を買いました。
いくら投資したのだろうか・・・
当時は、とにかく何でも良いから息子に興味を持ってもらいたくて、色々買いそろえました。が、今思うと、これらの遊びがとても良い療育になっていたのだと思います。
息子は、接触過敏、聴覚過敏、視覚過敏など、さまざまな感覚過敏を疑われましたが、小学生になりそれらの過敏がとても落ち着いたのは、感覚の鍛錬の賜物なのかもしれません。
それが、感覚の発達によって改善していたのか、年齢とともに薄まってきたのか、単に今は鳴りを潜めているだけなのかわかりませんが・・・
やらないよりもやった方が良いはずなので、これからも、我が家の庭の遊具たちには活躍してもらって、楽しく感覚を鍛えて行けたらと思います😉