【障がい者の就職】職場で困った人にならないために・・・小さいうちからできること

うちの息子は、現在特別支援学校に通う小学2年生です。

まだまだ、就職するまでには時間はありますが、先日、学校主催の保護者向け会社見学会があったので、それに参加してきました。

見学した先は、全国でも有名な大手企業様の特例子会社です。

特例子会社とは・・・企業が障がい者の雇用を促進する目的でつくる子会社のこと。

一般的な企業と比べると、障害や特性に対するサポート環境が整っているところが多い。

要件を満たせば、子会社の障がい者雇用数を、親会社と合算できるため、企業側には、法定雇用率を安定的に達成するなどのメリットがある。

今回は、会社説明会とか、見学会というよりも、

”障がいのある子どもを持つ保護者としての心構え”

的な面が多く、大変考えさせられました。

昨年も、この企業様の会社説明会、また、他の特例子会社さんの説明会に参加したのですが、同じような話が出ましたので、忘れないうちに書き留めておきたいと思います。

職業準備性ピラミッドとは?

職業準備性ピラミッドをご存じですか?

会社説明会に行くと、多くの企業様で、このピラミッドについて説明をしてくださいます。

↑この図は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の『2019年度版職業支援ハンドブック』よりお借りしてきました。

言葉や細かいところの違いはありますが、どこが出している図もだいたいこのような感じで、5階層のピラミッドになっております。

企業様のお話によると、5階層のうち、下から3段、ないし4段目まではできている状態で就職して欲しいとのこと。

図が小さいので、文章でも補足します。

①心と体の健康管理 
食事、睡眠、体調管理、衛生管理、通院、服薬、感情のコントールなど
②日常生活管理
規則正しい生活リズム、身辺処理の自立、金銭管理、移動能力、余暇の過ごし方など

特に、この底辺2つは、小さい頃より練習して身に付けてください」とのことです。

中・高校生になって、そろそろ就職を意識・・・では、もう遅いそうです。

ゆり
ゆり
基本的な生活習慣って、積み重ねですからね。

根本的な性格の面が形成されていく段階で介入していく・・・ということでしょうか。

③対人技能
コミュニケーション、協調性、ルールを守る、挨拶、返事、注意された時の謝罪
など
④基本的労働習慣
意欲、身だしなみ、報告、連絡、相談、時間管理、体力、集中力、作業遂行力など

↑このラインまでは就職するまでにできるようになること‼
ここまでは、保護者の役割です。

⑤職業適性
作業遂行に必要な知識、技能の習得、得意・不得意の把握など
最後、この部分は企業の役割になります。

会社で困る障がい者:具体的な事例

根本的な障がいの特性の面での困り感というよりは、人としての基礎的部分に問題がある事例をいくつか教えていただきました。

身辺処理

【衛生】

・ひげを剃らない

・寝ぐせだらけの髪

・仕事中にしょっちゅう髪を触る、頭をかく

・爪を切らない

・体臭が気になる

・トイレを流さない、長時間こもる

【服装】

・ズボンの裾を直さない

・ラフな格好で出勤する

・季節に合った服装を選べない

・シワだらけの制服

・服のにおいが気になる

【靴】

・靴のサイズが大きい人が多い

→靴紐を結び直さず、スポッと履けるように大き目のサイズを選ぶ人が多い

靴が大きすぎると、つまずきの原因になるので危険。

【着替え】

・狭いスペースで素早く着替えができない

→ロッカーの前の限られたスペースで着替えができない人が意外に多い

脱いだ服を散らかす。ロッカーがぐちゃぐちゃ。

【食事】

・食べ方が汚い

ゆり
ゆり
これらは、障がい者だから・・・ということでなく、人として、ですね。

うちの主人なんか全然できていませんけれど・・・服のシワとかズボンの裾とか、自分で直しません。

男だから・・・ということでは許されませんね。

親がいなくても、奥さんがいなくても、自分でできるように育てないといけないですね・・・ハードル高😭

行動面

・嘘をつく

・ごまかす

・報告をしない

『ミスをしたことを報告しないこと』がとても困る

失敗することは仕方ないとして、それをごまかすことは絶対にダメ。

・自分で解決できない

→会社のセキュリティカードをバスに忘れてしまった・・・ではどうすれば良いか、自分で解決策を考えられない。自ら動こうとしない。

・不調の訴えが多い

→「体調が悪いです。」と言われれば、会社側では無理をさせることはできないので、頻繁な訴えは困る。

・女性トイレの前をうろつく

→社員から気持ち悪がられる。

・やたらと早く出勤する

→親と同じ時間に家を出たい、間に合わないといけないという不安が強い、ゆっくりトイレを済ませたいから会社で朝ごはん・・・などの理由から、始業時間の1時間以上も前に出勤する人がいる。

鍵を開ける社員にも迷惑だし、会社側も照明、空調等が必要になる。

自己コントロール

・休みが多い

→週末に家族と出かけて体調が悪いため休む。

・家での過ごし方がよくない

→ゲームばかりしていて寝不足になる。

・体調が悪いのに出勤する

→病院に行かないで、親の意見や、自己判断で済ませてしまう。

・感情を表に出す

問題ありな保護者の行動

・実習や会社見学などで、子どもに「今の説明わかった?」「今日はどうだった?」と声をかける

・「~しなさい」の声掛けが多い

・「入社式は初日なので、親が送迎したい」との訴え

→入社日はすでに社会人。

・子どもが休憩時間が足りないと言っているので、休憩時間を増やして欲しいと電話してくる

→労働基準法における休憩時間を知ってほしい。

(その会社は、7時間労働に対し、午前・午後に15分ずつ、昼に45分。基準より多い。)

・欠勤の電話を親がする

・子どもがいつも1人でいるので、会社で友達を作って欲しい

→企業内に、必ずしも友達が必要というわけではない。

休憩時間、誰かといるより1人の方が楽な人もいる。

・親が会社に行かなければならないので、具合の悪い子どもをとりあえず出勤させる

→企業は託児所ではない。

・休日は危ないから1人で外出させない

・お金を持たせない

→出勤時、お金を持っていなくて、周りの社員に迷惑をかける。

・会社の必要書類に目を通してあげない

→記載していないところが多く、社員が見なければならない。

就労に向けて、小さい時からやれること

企業様からお話を聴いて、これは小学生のうちからできそうだな、ということをまとめました。

愛される子に育てる

気持ちの優しい人、人を思いやれる人は、相手からかけられる言葉も変わる。

人からの助けが得やすい。

「しつけ」は妥協しない

日常生活の姿がそのまま会社に出る。

マナーを身に付ける。

特に、挨拶は必須。

習慣化が大切

基礎を養うには時間がかかる。

その他にも、勉強になることを聴きました。

例えば・・・障がい者の働く場所は工場が多くなりがちですが、食料品、衛生用品を扱う場所は、きまってマスクやゴム手袋が必須なことから、過敏がなければ、そういうものを身に付けることに抵抗がないように慣らす。

また、指先を触る癖(爪かみとか指をいじるなど)がある子は、手袋が必須の職場が難しくなるため、小さいうちに治しておくと就職先の選択肢が広がりやすいそうです。

特性上、手袋などが無理な場合は、無理をせず他を探すことも大切だということです。(職業と子どものマッチング)

また、できる子は、スケジュール帳を持たせて、自分の予定を管理する能力を早くから身に付けると良いそうですよ。

最後に

今回見学させていただきました特例子会社は、障がいを持つ社員へのフォローが大変心強い会社でした。

各部門にジョブコーチや資格のある専門家(元支援学校の教員など)を配置していて、障がいを持つ人でも働きやすい、わかりやすい支援を積極的にしてくださっている印象で、親としても魅力がいっぱいです。

しかしながら、そうした手厚い労働環境でも、社員の離職率は3割と高いそうです。

知的障害を持つ人よりも、精神、発達障害を持つ人の方が続かないそうです。

3年程で辞めていってしまうのだとか・・・

企業の担当者様は、障がいのある社員の特性のことはよく理解してくれているようでした。

その上で、『彼らは、自分の行動がどれだけ人に迷惑をかけているかが想像できない人たち』ということをきっぱりとおっしゃっておりました。

障がいの特性上、努力してもできないことだから仕方がないこと。

だけれども、そういうところから教えなければならない、企業の負担が大きいのだ、という訴えが胸に刺さりました。

辞めていく社員さんは、入社後、先程ご紹介した職業準備性ピラミッドの基礎の部分でつまづく社員がほとんどだとか。

そして、教える側の社員さんも、会社で基礎の部分から教えなければならないことに疲弊している様子でした。

こうした実情を聴き、子どもを社会に出す前に、親、学校が担う役割は大きいのだということを改めて実感しています。

そうくると、うちの息子は、特別支援学校でよかったなと思うのです。

企業様も、支援学校卒の子は採用しやすいとおっしゃっておりましたし。

職業訓練校を卒業した子もまたしかりですね。

普通学級、支援学級では、どの程度就労のことを意識して取り組むかはわかりませんが、学校側で十分取り組んでくれないなら、親が頑張るしかないと思います。

小さいころからできること、たくさんあります。

就職は、ゴールではなくスタート。

そのための、強固な地盤づくりは、もう始まっています。

将来のため、子どものために、一緒に頑張っていきましょう☺

ちょこっと本音

とは言うものの・・・・・

見学して、ショックだったことがあります。

こんなこと言ってはいけない、贅沢だとわかってる、でも、ちょこっとだけ・・・

ある仕事をしている社員さんたちが15人程おりました。

立ち仕事で、数を数える、シールを貼る等の単純な流れ作業をずっと繰り返しています。

そのお仕事、機械でやればあっという間にできてしまうお仕事なのだそうです。

それを、何十倍もの時間と労力を使って、障がいのある方たちの仕事として提供している。

会社にとっては大きな赤字だそうです。

成果以上の対価を与えて下さっている。

ありがたいことです。

でも、働いている本人たちはどう感じて働いているのだろう・・・と思ってしまいました。

”単純作業が好き”という方は多い、ということは聞いておりますが、その仕事を毎日何時間も、来る日も来る日も行っていることを、本人たちはどう思っているのでしょうか。

障がい者に対して、”できる仕事を作る”ことが大変なことはわかっています。

どこの会社様、施設においても同様でしょう。

でも、真の意味での障がい者雇用とは、なんだか違うのでは?と感じてしまいました。

私はつい、日本理化学工業(社員の7割が重度を含む障がい者。チョークなどを製造。)などの理想を見てしまいがちで・・・

日本理化学工業の本を読みましたが、社長様は、お坊さんから、

人の幸せとは・・・

①人に愛されること

②人にほめられること

③人の役に立つこと

④人に必要とされること

そううかがったそうです。

それが、働くことによって得られる、働く喜びを感じることができる・・・と。

『人の幸せ』なるほどなぁと思います。

AIが進む中、私たちの仕事も機械に奪われている時代、障がい者の仕事ってやっぱり難しいですね。

息子が、どんな作業が好きで、何に喜びを感じることができるのだろうか。

そんな視点も、子育てに入れていきたいと思います。

そして、親としては、しっかりと社会の現実を見ていきたいと思います😭