みなさんは、お子さんと一緒に遊べますか?
お子さんと遊ぶことが難しくて悩んでいたりしませんか?
関わってあげる時間が少ないから、コミュニケーションが苦手なのではないか、と自分を責めていませんか?
今回は、そんな悩みがあった私のお話です。
目次
息子との遊びの悩み
人に興味がない
私の自閉症の息子は、まだ小さい時から人と一緒に遊ぶということをほとんどしない子でした。
発達検査をしても、社会性がガクンと低く、人に関心を示すことが少なかったです。
余暇は、1人で文字を書いたり、絵を描いたり、youtubeやNHKの教育番組を見て楽しむ時間が圧倒的に多く、小学生になった今でも、自宅での過ごし方はほとんど変わっていません。
自閉症の子はファンタジーに没頭する、と言われますが、小学生になり、言葉が徐々に話せるようになった今は、自分で物語を作り、独りでごっこ遊びをするのが好きです。
おもちゃに興味がない
男の子は、乗り物系のおもちゃが好きな子が多いですよね。
プラレール派、トミカ派とかよく聞きます。
我が家には両方ありますが、ほとんどちゃんと遊んだことがありません。
プラレールの電車は、横に並べて遊んでいました。
積木やブロックもそう。
上に積むのではなく、横に並べる。
自閉症の子によくある、並べるのが好き。
少し乱れると治す。
かろうじて好きだったおままごとで、息子が作った料理を私が食べ真似をしようと手に取った時。
息子が息子の基準で並べてあったお皿が乱れ、彼が怒るんです。
そんな感じで、息子の遊びには手が出せませんでした。
人とやり取りをする楽しさを味合わせたいと願い、色々なおもちゃを与えて、息子の興味を探り、毎日一緒に遊ぼうと頑張った時期もあります。
でも・・・ずっと私が1人でしゃべっているだけで、だいぶむなしい。
息子からは、うるさいなぁという顔で見られるのみ。
私が求めている遊びや、やり取りなんてありませんでした。
ママに近くにいて欲しい
人に関心がないにも関わらず、私への後追いが激しく、姿が見えないと泣く。
遊んでいる時も近くにいないとダメ。
なのに、一緒に遊んでくれないし、私はいったい何をして過ごしたらよいの?
つい、スマホに手が伸びたり、TVを見てしまって。
これで良いのか?と疑問に思いながら時間をやり過ごしていた記憶があります。
言葉が遅い、関心が薄いのは、話しかけが足りないせいなのか?
言葉の発達がとても遅かった息子。
周りの専門家からは、「普段からたくさん話しかけてください。」と言われます。
本にもそう書いてあります。
- この子の言葉が遅いのは、私の話しかける量が少ないから?
- 普段早口すぎるのがいけないのかな?
- もっと簡単な言葉で、短い言葉で話しかけないとダメかな・・・
色々意識して話しかける努力をしました。
息子の関心があることに乗っかって、できるだけ多くの情報を教え込もうと欲張りになっていたのかもしれません。

上手だね。
これは足?
これは目かな?
室内にこだまする、私だけの声。
これもむなしかったです。
反応がないって、悲しい。
なにか助けて欲しい時だけ、私の腕をつかんで、その場や物に誘導する。
いわゆる、クレーン現象が幼稚園年中くらいまであったかな。
「取って」くらいは言えるようになっても、なかなか話してはくれませんでした。
そんなこんなで、息子と遊ぶ、たくさん話しかけることに苦痛を感じていた私でした。
1人遊びは良いこと
この悩みを、信頼している臨床心理士に相談した時のことです。

どれくらい一緒に遊んであげないといけないんですか?
心理士の先生は、息子の1人遊びに注目をしてくれました。
そして、
うちの病院でも、今は1人遊びを育てる取り組みをしています。
将来、誰かが傍にいないと何もできない子よりも、1人で自由な時間を楽しく過ごせる人になって欲しいですよね。
そのためには、1人で遊べることって大事なんです。

私は、息子に1人遊びをさせている時間、罪悪感がありました。
一緒に遊んであげたいけれど、気力がわかない。
遊び方がわからない。
頑張れる気持ちが持てない。
1人で遊ばせてごめんね。
一緒に遊んであげなくてごめんね。
でも、その1人遊びが、将来1人で余暇を楽しめるようになるための訓練になっていると思うと、だいぶ心持が違いました。

この言葉に救われました。
私と一緒に遊ばなくても、傍らには私にいて欲しかった息子ですが、「今は1人で遊ぶ時間」と区切ることで、息子と離れていい時間ができ、1人にさせる罪悪感もなくなりました。
そのうちに、1人でも上手に遊べるようになり、小学生になった今では、私のほうから「構って~」と行くくらいです。
あっという間に大きくなってしまいました。
少し寂しいくらいです。
最後に
自閉症の彼らにとって、1人で居ること、1人で遊ぶことが、自分の世界が楽しい幸せな時間であって、時に他者が邪魔なのかもしれません。
同じ空間にいて、見守り、適度な声掛け、あいづち、その程度の関わり合いで、彼らは十分なのかもしれません。
私は、もう長いこと、子どもが自ら求めてくる時には極力構うようにしてあげますが、その他の時間は適度な距離感で子どもと過ごすようになり、自分がずいぶん楽になりました。
何か好ましくないことに没頭している時は、介入して気をそらす必要があるので、常に見守りはします。
でも、後はそれぞれの時間を楽しむようにしています。
たくさん遊んであげなくては!と親が頑張っても、片手間に付き合うだけだと、親は苦痛だし、子どもの反応も薄いような気がしますしね。
余力がある時は、一緒に遊んであげることはすばらしいと思いますが、親は親の時間を大切にすることも大事だと思います。
1人遊びを肯定されたことで、
そんなに頑張らなくても良いのだな、と。
一生懸命に子どもと遊ばなくても良いのだな、と。
肩の力を抜いて、子どもと楽に関われるようになれました。