息子の育児の中で、私の負担の1つだったリビングのおもちゃ。
我が子は自閉症で、興味関心が狭く、おもちゃで遊ぶことをほとんどしない子でした。
空き時間は、専らスマホでyoutubeを見ています。
気が付いた時には、スマホがないと余暇が過ごせない状態に陥っていました。
絵を描くときもスマホを流しながら描いていました。
それではいけない!と不安に襲われていて、何とかおもちゃで遊ばせたいと願って、息子におもちゃをたくさん与えてきました。
おもちゃを与えれば、興味を広げられると思っていたので・・・
前回の記事↓でも書きましたが、1人で遊ぶ時間の充実、遊びのバリエーションを持たせるためにも、おもちゃで遊ばせなくてはいけない、と思い込んでいたのかもしれません。
目次
おもちゃが無駄に多い
私は、息子に対し色々なことに興味を広げて欲しいと願いました。
おもちゃで遊べなくても特に困ることはないのですが、積み木や粘土などで想像力とか、発想力とかを身に付けて欲しかったです。
また、ごっこ遊びなんかも社会性の向上に大切だと思ったので、遊びを通してそういう力を養うために、おもちゃの力を借りたいと思っていました。
そして、息子の好きなことを増やしたい思いもありました。
好きなことをたくさん持てるといいなぁと。
でも、経験させてみないと何が好きなのかわかりません。
とにかく、良さそうなおもちゃ、評判の良いおもちゃを色々買えばそれが見つかると思っていました。
また、療育に役立てるために、知育玩具もそろえようと頑張りました。
療育施設に行くと、普通に売られているおもちゃを活用している場面が結構あります。
特に、くもんのタングラムとか、パズルとかはよく目にしました。
そういう物をそろえていきました。
息子の関心は薄かったのですが・・・
そんな具合で、私の目線で選んだだけの、日の目を見ていないおもちゃが無駄に多かった我が家でした。
おもちゃへの悩み
【収納方法】見えないと無き物になる
息子は、視覚優位が強い子です。
それだからかわかりませんが、おもちゃを棚の中などにしまってしまうと、そのおもちゃがあることを忘れてしまうんです。
目の前に見える形で提示しておかないと、ただでさえ遊ばないおもちゃが無き物になっていました。
おもちゃに気が付いてもらうためには、できるだけリビングに出した状態でおもちゃを置いておく必要があるとわかりました。
でも、そうすると、しまう場所がありません。
無理やり収納場所を作ってみるものの、出ているおもちゃの量が多くなって、出す量もすごくなります。
中には、ひっくり返して終わりになる積み木もあります。
片付けなければいけないおもちゃの量が半端なく。
そして、私たち大人がくつろげるスペースは、もはやリビングにはなくなってしまっていました。
おもちゃは子どもに片付けるさせるもの?
毎朝、足の踏み場もなくなったリビングのおもちゃを片付けるのに多くの時間を取られ、私をイライラさせていました。
息子に、「1つおもちゃを使ったら、片付けをしてから次のおもちゃを出してね。」と説明しても通じる相手ではありません。
でも、療育現場では、まず使ったおもちゃを片付けるということを熱心にやっていました。
お片付けの歌を歌って、みんなと一緒にお片付け。
おもちゃ1つでも箱に入れる行為を子どもにやらせ、片付けを身に付けさせるために努力をする。
なので、片付けってすごく大事だと思っていました。
でも、家で「片付けて!」と毎回言うのは疲れます。
息子に付いて回らないといけなくもなります。
そのうち、息子も毎回言われるのは疲れるだろうと思い、私もしつこくは言わず、あきらめて自分で片付けていました。
その方が楽でした。
そこを粘って片付けさせた方が良いのか?
毎回1つだけは頑張ってみるとか、そんな取り組みをした方が良いのか?
息子が片づけられないのは、私の支援が足りないのではないか?
息子が片づけやすいように、おもちゃの写真をケースに貼ることはしていましたが、それだけでは足りないのではないか?
どう支援したら良いのだろうか。
わからなくなってしまっていました。
キッズスペースで解決
片付けなくてもよいスペースを作る
リビングのおもちゃ問題をネットで検索していると、キッズスペースが数多くヒットしました。
私もキッズスペースを作りたくて、色々家で試しては見ましたが、結局片付けの問題は付きまといました。
そこで、病院でお世話になっている臨床心理士の先生に相談してみたところ・・・

そして、そのコーナーは、おもちゃを片付けなくても良いスペースにしてはどうですか?
出しっぱなしオッケーの場所にしてしまうんです。
私も実は、そう思っていました。
片付けないスペース、この考え方には大賛成!
っていうか、片付けをさせなくても良いんだ!!
先生から「おもちゃを片付けさせなくても良い。」と言われて、考え方がすごく楽になりました。
もちろん、先生も片付けをおろそかにして良いという意味で言っているわけではないと思います。
片付け=理想
でも現実は・・・毎回子どもに片付けさせるのは難しい。
理想と現実の折り合いをつけるために、提案してくれたのだと思います。
部屋の構造化
さて、そうと決まったら、部屋のキッズスペース作りです。
再度、リビングにおもちゃコーナーを作ってある家をネットで検索し、画像を何枚も見ました。
自閉症と部屋の構造化の本も買って読みました。
でも、同じ部屋の作りじゃないから、参考になってもなかなかうまく行きません。
何度も試しては挫折し、の繰り返しでした。
コーナーを作っても、いつの間にか部屋中に広がるおもちゃ。
完璧を求めているわけではありませんでしたが、ある程度の成果は欲しかったです。
いくつか試して、我が家のたどり着いた形はこんな感じです。
リビングの後ろ側のスペースに息子のおもちゃを集めてみました。
おもちゃは、なるべく息子の目線から見えるようにしまう配慮をしました。
この配慮は、目に入った物に興味が移ろいやすいADHDタイプの子には合わないかもしれないですが、おもちゃが見えないと使わない息子にははまりました。
息子のスペースには、大人のスペースとは違う色の絨毯を敷いて、息子に自分の場所がわかるように区別をつけました。
ある程度のスペースを設けることで、息子はおもちゃの収納ケースのすぐ隣で遊ぶことができ、おもちゃも取り出しやすく、また片付けもしやすくなりました。
たくさんあるおもちゃや絵本はシーズンなどで入れ替えをし、ここに収まる量だけ出しました。
テーブルの上や、息子専用絨毯の上のおもちゃは出しっぱなしオッケーにしたことで、これまでの遊びの続きができる環境が整いました。
テーブルの上にプラレールの線路やピタゴラ装置を作ってあげて。
それを何日も放置できるようになりました。
私のイライラの1つ、プラレールやトミカ。
苦労して作ったのに、それを壊さないとスペースや掃除等、生活に支障が出るじゃないですか。
プラレール部屋が持てれば別ですが・・・
子どもはまた作ることに楽しみを持てるかもしれませんが、親が作る場合、おっくうで仕方がありません。
特に、私は男の子の乗物系の遊びに興味が持てなかったので、毎回線路や道路を組み立てるのが苦痛でした。
それを片づけなくても良いことになったおかげで、ほこりが溜まってくるまで放置できるようになりました。
なので、ある程度凝ったものを作っても惜しくない気持ちになりました。
そして、息子がそれらで少しずつ遊べるようにもなりました。
基本的に、息子はこのスペースで1人で遊んでいました。
あえて取り組んだ1人遊びです。
大人のスペースがすぐ隣にあるので、私はそこで過ごしたり、キッチンから息子を見守りました。
時折声掛けをし、時折一緒に何かを作る。
お互い適切な距離感と関わり方ができるようになりました。
息子のおもちゃスペースで用意したものを一応載せておきます。
インターネットで見た情報を手本に作りました。
カラーボックス+プレイテーブルなどでたくさん情報が出てきます。
我が家のプレイテーブル
- カラーボックス 4個(アイリスオーヤマ3段)
- カラーボックスをつなげる金具とネジ(適当なもの)
- コルクボード 2枚(カインズホーム)
- キャスター 8個(近所のホームセンターにて)
作り方は、それぞれのニーズで変わってくると思いますが・・・
①カラーボックスを組み立てます。
我が家の場合は4個のカラーボックスを組み立て、横に2つずつくっつけて、プレイテーブルが2組できるようにしました。
1組はあえて後ろの板を抜いて、奥行を深く使えるようにしました。
②2つのカラーボックスを金具で固定します。
固定できればどんな金具でも良いです。
我が家は、ストレートの金具を使用しました。
1組につき4ヶ所固定しました。
ダイソーの『ステンレスステー』でも良いと思います。
③下にキャスターを付けました。
キャスターはあってもなくても良いですが、あると簡単に移動ができ、掃除も楽です。
ある程度の重さに耐えられる物が良いと思います。
④プレイテーブルの上にコルクボードを取り付けます。
我が家は、協力な両面テープで固定しました。
絵本ラック
- ワイヤーラック(100均)
- 結束バンド
絵本ラックは、ワイヤーラックを適当に折り曲げて、絵本を置けるスペースを作って、あとはそれらを結束バンドでくっつけただけです。
最後に
このキッズスペースは、息子が幼稚園の間は活躍してくれました。
小学生になると、放課後等デイサービスの利用で家にいる時間がぐっと減ったので、このプレイテーブルは撤去し、今ではリビングがすっきりしています。
片付けに関して、家では無頓着に育てた息子ですが、家以外の場所では、1つ使ったら片づけて、新しいおもちゃを出すことができています。
こういうところは、息子の性格に助けられている部分があるかもしれません。
おもちゃへの関心ですが、小学生になった今も相変わらず関心が薄いです。
放デイでは、車のおもちゃをテーブルから落とす作業を繰り返しやってゲラゲラ笑っているそうです。
家では、少し前までは、アンパンマンのぬいぐるみを使ってごっこ遊びを盛んにやっていましたが、数ヶ月前にパタリとやめて今は見向きもしません。
先日、支援学級に通うお友達の家に遊びに行った際。
息子を入れてメンバー4人、みんな一定の好きなおもちゃがあり、電車なり、フィギュアなりで遊んでおりましたが、うちの息子はお絵かきボードとひらがなの本で遊んでいました。
途中DVDを付けてくれたのですが、みんなが見ているアニメも見ないです。
家でも、なんとかレンジャーとか、ジブリとかディズニーも一切興味なしで、最近買って欲しいと願い出てきたDVDは英単語のものです。
それはそれで、もういいかなと思えるようになってきました。
小さい頃は、クリスマスとか、誕生日とか、張り合いがないのが寂しいかったですが。
息子から「おもちゃが欲しい!」とねだられたことがなかったので、いつか、おもちゃを買ってあげたら喜ぶ息子の顔が見たいなぁと思っていました。
新しいおもちゃをプレゼントしても、リアクションが薄くて親としては悲しかったです。
そんな息子でしたが、昨年初めて、クリスマスプレゼントを自分でリクエストしてくれました。
『アンパンマンのパン工場』のおもちゃでした。
youtubeの広告か何かで見て欲しくなったようです。
結局、ほとんど遊ばなかったですが、包みを開けた時はうれしそうにしてくれました。
今年は、『わたがしメーカー』が欲しいそうです。
おもちゃという感じではないですけど・・・。
そして、虫歯が気にならなくもないですが・・・。
本人が欲しいと言ってきてくれたので、サンタさんにお願いをしなきゃな。