小学生になってから、息子もだんだんとお話が上手になってきていることもあり、息子の嫌い、苦手、怖い、そういった物が前よりもわかるようになってきました。
昔からずっと怖い物もあれば、最近になって怖くなった物もあると思うのですが。(こちらが気が付かなかっただけかも。)
それが、すごく意外な物なので、紹介したいと思います。
ある特定の野草が怖い
タイトルにも書きましたが、息子の怖い物で私の意外だったものは、この野草。
これです↓
なんていう花かわかりませんが。
我が家の周辺の道端には、ごく一般的に咲いている花です。
道を歩いていると、川沿いや畑の脇道に咲いていることが多いのですが、この花を目ざとく見つける息子。
昨年くらいまでは、この花を見ると体が固まってしまってその場から動けなくなることがありました。
最近では・・・
昨日も散歩中にこの花を見つけたんですよ。
私が先に気が付き、息子の目に入らないように息子を道路の中央側に置いて歩いたのですが・・・
見つけてしまいました。
「わーーーっ」と言いながら、2、3歩後ずさりしてうろたえる息子。
「僕の嫌いな花ーーー!!ママ、あっちにやって!」
と逃げながらもその花が気になる様子。
「通り過ぎたから、もういいでしょ?」
と言っても、私がその花をへし折るまでごね続けた息子でした。
この時、息子は怖がりながら、時折足をはたくんです。
なので、おそらく、前にこの花が足に当たって、その感覚がイヤだった記憶が残り、嫌いになったのではないか?と推測しているのですが。
他の野草は全く問題がなく。
もしかしたら、見た目が嫌いなのかも。
花の形状とか。
真相はまだわかりません。
車に乗っている時に見つけても、「あーまた(花が)ある」と反応するくらい苦手です。
犬が怖い
一般的にも犬が嫌い、苦手な人がいるので、意外かと言われれば、これはそうでないかもしれませんが・・・
息子の場合、犬を飼っている家の前すら通ることができません。
それぐらい、犬が苦手です。
近所を散歩する時。
どの家が犬を飼っているかを、息子はよくわかっているので、その家を避けて大回りをします。
向こうから散歩中の犬が来た際、少し前までは、すれ違うこともできず、引き返す、別の道に進むなどの方法を取っていました。
最近では、大人を盾にすれば、すれ違うことができるようになってきていますが・・・
ものすごい警戒しています。
笑ってしまうくらい犬を凝視して。
でも、本人は大まじめに恐怖と戦っているんですよね。
とっさに出てくるネコやカラス以上の大きさの鳥も怖いには怖いけれども、犬への恐怖心はレベルが違います。
息子の犬嫌いがわかったきっかけ。
それは、息子を犬の施設に連れて行った時のこと。
当時の私は、自閉症スペクトラムと診断された、イギリスに住む、アイリス・グレースさんの絵に感動し、息子がアイリスさんのようにならないかなぁ~なんて思って、彼女の事が書かれている記事を見ていました。
アイリスさんの傍らには、いつも猫のスーラがいます。
彼女の良き相棒として、共に時を過ごす姿、スーラに癒されるアイリスさんに憧れました。
そうだ!息子にも動物が良いのかもしれない!?
動物セラピーだ!
時を同じくして、私の姉も同じことを考えていたようで。
訓練されたわんちゃんたちと触れ合える施設を姉が探し、息子を連れて行ったのですが・・・
まだ息子が2歳くらいの時だったかな?
犬の頭を撫でたりして、仲良く過ごせると期待していったのですが・・・
予想に反して、息子、ものすごく怖がりまして。
犬種はゴールデンリトリバーで、盲導犬を引退したすごく穏やかな子もいたのですが、息子は犬には見向きもせず、私にしがみついていました。
この経験がいけなかったのだろうか・・・とたまに思います。
特定のテレビCMが怖い
自閉症を持つ方で、特定のCMが好き、という話は実によく聞きます。
CMで流れる歌をずーと歌っていたり、セリフを真似したり。
息子の場合も、大好きなCMはyoutubeで検索してまでして、時折見て楽しんでいます。
最近では、とある住宅メーカーのCMと、かつお節のCMがお気に入りです。
そんな息子も、1つだけ、強烈に嫌いなCMがありまして。
そのCMが流れると、即座にTVを消します。
この時の彼は、鼓動が早くなり、ものすごく慌てた様子を見せます。
流れる音楽が怖いのか、映像がイヤなのか。
私は映像かな?と思っていますけど。
もっと幼い時に、NHKの教育番組を見ていて突然TVを消すことがあって。
今でも、たまにありますが。
特定のシーンが流れるのがイヤなのかな・・・と。
「なんでこれ(CM)がイヤなの?」
と聞いても、息子はまだ説明ができる程の言語能力を持ち合わせてはいないので、これも真相はわかりませんが。
さいごに
息子の怖いものを通じて、自閉症の方の感覚って不思議だなぁ~と改めて思います。
ある形が怖い、色が苦手、音がイヤ。
私たちが予想だにしない恐怖が、世の中にきっと色々あるのだと思います。
そして、どんな経験が、この先嫌な記憶に残るのかもよくわかりません。
だから、私は、息子が変な行動を見せた時に、なんでそうなった?と考えなければいけないなぁと思うんです。
頭ごなしに怒ったり、無理やり引っ張ったりするのは、彼らにとってすごくつらいことなんだよなぁって。
それが、たとえ野に咲く小さな、かわいらしい花であっても、息子にとっては、恐怖の対象。
遊んでいる時に足に当たって不快だった経験が、先々の恐怖心につながることだってあるのかもしれません。
私目線だけで彼に接してはいけないなぁと、つくづく思います。