相手の心を読むことが苦手とされる自閉症。
息子が通う支援学校では、多くの子が自閉症と診断されています。
うちの息子も自閉症です。
なので、必然的に自閉症同志の関わりが多くなります。
お互い心理描写が苦手な者同士です。
だからかわかりませんが、一般的には深くかかわらないような些細な子ども同士のトラブルまで、先生が丁寧に指導してくださいます。
今回は、そんな息子が受けた指導についてのお話です。
昨日、息子を学校に迎えに行ったのですが、息子だけなかなか教室から戻って来ません。
なんだろ~珍しいなぁ、と待っていたのですが・・・
みんなから遅れること約10分。
クラスの先生と一緒に戻ってきました。
担任の先生がすぐに私のところに来て下さり、「今、息子さんに指導していました。」と丁寧に説明してくださいました。
息子はいつも、同じクラスのA君とBさんの3人で仲良く一緒にいます。
A君とは、幼稚園も同じで、付き合いが長いです。
彼は、おしゃべり上手のお調子者。
悪気を感じないけれどいたずら大好きな子です。
彼には自閉症の診断が付いていませんが、知的な遅れがみられる子で、相手の気持ちを察することは今はまだ難しい子です。
Bさんは、息子の学年では唯一、言葉でやり取りができる女の子です。
彼女は自閉症で、絵が大好きな子。
息子とタイプが似ています。
息子はBさんと本当に仲が良く、参観会に行った際もいつも一緒にいて、手をつないだり、肩を組んだり、ちょっと近すぎない?大丈夫?(男の子と女の子だから性の面で)と心配になるくらい近しい間柄です。
そんなBさんに、最近、息子がA君と一緒にふざけて”あっかんべー”をやったり、鬼ごっこの標的にする等の行為があり、Bさんが泣いてしまうことがあるため、個別の指導が入ったそうです。
先生は、やってはいけないことを青い紙に書き、文字と絵でわかりやすく息子に説明してくださいました。
あっかんべーされたら、相手は悲しくなる・・・みたいな。
悪いことばかり言うのも良くないと思ったようで、最近息子がした良い事もピンクの紙に書いてくれました。
お友達の上着のファスナーをあげるのを手伝ってあげたこととか。
ここは良いけれど、ここはダメだよ。
そう指導され、息子は神妙な顔で帰ってきました。
この先生からのご指導について。
息子自体は、超が付く程のまじめな性格だったので、私は若干驚いたのですが。
ようやく、お友達とふざけることができるようになったのだなぁ、と少しうれしい気持ちでもありました。
もちろん、相手が嫌がることはしてはダメなのですが。
昨年までの息子は、担任から「子どもらしさがない。」と言われる程、キチキチ人間だったので。
間違っていることは、あれもこれも注意する。
例えば、「静かにして。」とか、「走らない。」とか、買い物していても、よその人に言ってしまうくらい、まっすぐすぎるところがありました。
それが少し緩くなって、男の子同志ふざけ合う姿が見られ、ホッとしたというか。
友達をより意識することができ、関わり合いが増えたから出てきた問題だなぁと。
1人ではやらないけれど、お友達と一緒ならつられてやってしまう・・・的なものです。
それって、楽しいことでもあります。
A君親子と一緒に劇を見に行った際に、息子は、A君と一緒に知らない場所を探検したり、雨の中傘もささずにはしゃいだり。
普段息子がしない行動をA君と一緒にやる姿があって。
人と関わり合うことが苦手な息子だったのに、こんなに子どもらしい笑顔ができるんだなぁと。
少しやりすぎて、双方の親から注意されるものの、少年らしいやんちゃさに嬉しさがあって、親同士、もっとこういう機会があったら良いね、なんて話をしたくらいです。
今回、その”ふざけ”が悪い方向に行って、お友達が泣いてしまい、先生から指導されてしまいましたが。
そういう経験も大事だと思います。
そのようになったら、相手はどう感じるか。
すぐさま、心に視点を置いた丁寧な指導してくださった先生にも感謝です。
もしかしたら、A君も息子も、Bさんのことが好きすぎてやっちゃってるみたいなところもあるかも・・・と先生がおっしゃっていましたので、単なるふざけではなく、好きな子をいじめる?みたいな間違った表現をしているとしたら、ここは正していかないとダメですよね。
息子が行った行為は、Bさんにとって悲しいんだ。
自然と相手の気持ちを察することに苦手さがある彼らに、言葉や絵を使って心情表現をしてくださると、息子にも伝わりやすいと思います。
Bさんも自分の気持ちを自ら表現することは苦手なはずです。
なので、Bさんの気持ちを息子に教えて下さったことは、すごくありがたいことだと思っています。
指導を受け、息子がこれからどのようにしていくか興味深いです。
相手の気持ちを察して行動できるようになるでしょうか・・・
お友達からの良くない誘いがあったとしても、相手が嫌がることはやってはいけない、と正義を貫くことができるでしょうか?
今後の変化に期待しています。